100均グッズで生活のQOL爆上がりしたけど1つだけ大事故だった話

目次

100均グッズって、もはやライフラインじゃない?

「え、それも100均!?」から始まった買い物欲

どこから話そうかな。
最近の僕は、明らかに“あるモノ”にハマっている。そう、それは 100均グッズ だ。

もともと節約志向だったわけでもないし、生活の質(QOL)に異常なこだわりがあったわけでもない。
でも、ある日会社の後輩がポロッと言った一言で、スイッチが入ってしまった。

「イッチさん、あのUSB式卓上ファン、100均っすよ。最近の100均、普通に家電までいけますから」

100均で、USBファン!?
それって“ちょっと風が出るだけのやつ”じゃなくて、“ちゃんと仕事中に使えるやつ”ってこと?
しかも聞けば、その後輩は「加湿器」も「ケーブルホルダー」も、すべて100円で揃えていたらしい。

「マジで今の100均、ナメたらダメですよ」
そう言われたその日、僕は会社帰りにふらっと最寄りのダイソーに寄っていた。


カゴに次々放り込まれる「必要だったかもしれない物たち」

ダイソーの入口をくぐった瞬間、
そこにはまるで“ちょっとした家電量販店”のような空間が広がっていた。

・折りたたみスタンドミラー(110円)
・スリム型の収納ボックス(110円)
・スマホスタンド(220円)
・ケーブルクリップ(110円)
・壁掛けのフック(110円)

え、全部、見たことある。
ていうか、今までAmazonで800円くらいで買ってたやつが、
ここならワンコインで揃うじゃん……。

気づけば僕のカゴは“お手軽QOL爆上げグッズ”であふれかえっていた。

「これ部屋の隙間に入れたらちょうどいいんじゃね?」
「このコード巻くやつ、テレビ裏に使えそう」
「えっ、クローゼット用の除湿シート!? なにそれ天才かよ」

どこかで冷静な自分が「使うの? 本当に?」と問いかけてきた気もするが、
その声は見事にスルーされた。


帰宅後、“革命”が始まった

その日買ったのは、なんだかんだで1,800円分くらいだったけど、
自分史上いちばん“ワクワクした日用品”の買い物だった。

家に帰ってさっそく開封祭り。
・スマホスタンドをベッド脇に設置
・ケーブルクリップで机の裏がすっきり
・収納ボックスにリモコン類をまとめて入れてリビングが整う
・ミニ除湿シートを押入れに貼って“安心感”が爆上がり
・折りたたみミラーで朝の準備が時短

すごい。何これ。QOLってお金じゃないんだ……!

今まで“仕方なく”生活していたあれこれが、ほんのちょっと整っただけでこんなに快適になるなんて。

それ以来、週末になるたびに100均巡りをするようになった。
ダイソー、セリア、キャンドゥ……“3店舗ハシゴ”が当たり前になった。


100均好きが止まらない。誰にも止められない。

次第に僕の部屋は“100均チューン”されていった。
・冷蔵庫の中に仕切りトレイ
・シンク下に伸縮ラック
・トイレにちょっとした棚(突っ張り棒2本で作成)
・キッチン横のスパイスラック(木製すのことL字金具でDIY)

そしてこの頃から、僕は100均を単なる“買い物場所”ではなく、
「可能性の集合体」として見るようになっていた。

「この洗濯ネット、カバン収納に応用できそう」
「この網、壁に立てかければマルチツール収納になるな」

もはや100均は、“創造力があれば家が生まれ変わる聖地”だった。


でも、そう。

この話には“タイトルにもある通り”――
「大事故」が、ちゃんとある。

最初はささやかな違和感だった。

ある日、キッチンでそのグッズを使っていたとき、ふと「アレ?」と思った。
「なんか、これ、変なにおいしない?」
「ていうか、熱くない?」
「えっ、えっ、ちょ、待って、あっつ!!!!!」

僕はすぐに火を止めた。
でも、すでに手遅れだった。

100均グッズに囲まれたQOL生活。
そこにひとつだけ、明らかに“取り返しのつかないミス”が潜んでいた。

ここまでは最高だった、あの事故が起きるまでは

“毎日ちょっと快適”が、積み上がっていく楽しさ

QOLって、劇的な変化よりも「ちょっとした快適の積み重ね」なんだと知った。
朝起きてすぐスマホを手に取れるスタンド、
コードが絡まないだけでストレスが激減した充電周り、
ティッシュの置き場ひとつ変えるだけで“部屋の導線”がスムーズになる。

──全部、たった数百円の投資。
それだけで毎日の生活が、ちょっとずつ「心地よく」なっていく。

100均の良さって、
「これで失敗しても100円だし」っていう“挑戦ハードルの低さ”にあると思う。

でも逆に言えば――
その「油断」が、ときにトラップになることを、僕はこのあと知ることになる。


運命のグッズ:その名も“シリコンゆでたまごメーカー”

その日、ダイソーで見つけたのは「電子レンジでゆで卵が作れる」という夢のような商品だった。
見た目はシリコンの半球体がパカッとくっついたような形。
卵を割って入れて、レンジで数分加熱するだけで、いい感じの半熟卵が作れるらしい。

「え、天才すぎない?」と、その場で2個購入。
“朝食革命”が起きる予感しかしなかった。

その夜、さっそく使ってみることに。
説明書通りに、卵を1個入れて、少量の水を加え、
電子レンジで600W・40秒。

……が。


「パンッ!!!」という破裂音とともに、静寂が砕けた

爆発音がした瞬間、反射的に僕はキッチンに走った。

レンジの扉を開けると、そこには地獄絵図。
半熟卵になるはずだった白身が、飛び散っていた。
レンジの庫内、天井、壁、ターンテーブル、すべてに熱々の卵ミストが満遍なく貼り付いていた。

呆然と立ち尽くす僕。
冷蔵庫の上に鎮座していた100均のスマホスタンドも、白身の霧を浴びていた。

「……これ、40秒じゃダメだったのか?」

冷静になって説明書を見返す。
すると、小さく書いてあった。

「※加熱時間は目安です。卵の大きさ・電子レンジの機種により異なります。加熱しすぎにご注意ください。」

いやそれ、もっと早く言って。


そして“再挑戦”がさらなる悲劇を生んだ

ここで諦めていればよかった。
でもそのときの僕は、“納得のいかない男”モードに突入していた。

「たまたま1回目が失敗しただけかもしれない」
「2回目は、水をもう少し増やして、加熱時間を10秒短くすれば…」

いま思えば、完全に悪手だった。

慎重にセットし、今度は600Wで30秒。
レンジの中を凝視しながらカウントダウン。

──5、4、3、2、1。

「……お、いけた?」

そう思った瞬間、

「ボンッ!!」

今度は蓋が外れて、シリコン容器ごと宙を舞った。

その日、僕は初めて「ゆで卵の爆風」でレンジのドアを凹ませるという体験をした。


爆発で失ったのは、朝の余裕と、信頼と、ひとつの夢だった

レンジの掃除に30分。
ゆで卵のにおいがしみついたスマホスタンドの洗浄に15分。
部屋中に漂う“焦げた卵のにおい”を換気するのに2時間。

僕は悟った。

「これはQOL爆上げグッズではなく、“生活事故誘発装置”だった」と。

シリコンゆで卵メーカーは、その日を最後に僕のキッチンから姿を消した。


100均=万能、という幻想

便利なものって、すぐ手に入ると、それだけで“信用しちゃう”。

だけど僕はこの経験で、
「どんなに評価が高くても、どんなに便利そうでも、“自分の生活に合うかどうか”は別だ」
っていうことを痛感した。

すべての100均グッズが悪いわけじゃない。
むしろ、僕の生活は今も100均グッズに支えられている。

でも、「安い=何でもOK」ではない。

「“爆発するかもしれない朝ごはん”と、“10円節約できたかもしれない満足感”は釣り合わない」

それを、僕の手とレンジが身をもって教えてくれた。

信じすぎた100均との“適切な距離感”とは

「買う前に一度、深呼吸」を覚えた日

それ以来、100均グッズを見る目が少しだけ変わった。

以前は「え、これ110円で!? 最高じゃん!」だったのが、
今では「ほんとに必要?」「別のもので代用できない?」と、いったん心のブレーキがかかる。

100均との付き合い方って、たぶん“恋愛”に似てる。

最初はドキドキして、見るもの全部魅力的で、
「なんで今まで出会わなかったんだろう!」なんてテンションになるけど、
一度“痛い思い”をすると、急に慎重になる。

でも、距離を置いたからこそ見えてくる魅力も、ちゃんとある。


改めて見直した「100均の神グッズ」たち

事故のあと、僕は一度、家の中にある100均グッズを全部書き出してみた。
自分でもびっくりした。家じゅう、めちゃくちゃある。

・ドアの隙間を埋めるモヘアテープ
・お風呂の鏡に貼れる曇り止めシート
・パスタの計量リング
・缶詰用のシリコン蓋
・トイレ用のペーパー予備収納タワー
・マスク収納ケース(これは地味に神)

どれも「たった100円で、こんなに助けられてたのか……」と感謝したくなるやつばかりだった。

中でも、個人的ベスト3はこれだった:

🥇第1位:コードをまとめるマジックテープバンド

→ PC周りのストレスが激減。リモコンやHDMIもまとめてスッキリ。

🥈第2位:洗面台に引っかけるゴミ袋ホルダー

→ 料理中の生ゴミ問題が一発解決。これ考えた人に表彰状をあげたい。

🥉第3位:冷蔵庫の小分けトレイ

→ あの“魔窟”だった冷蔵庫が、今ではコンビニレベルに仕切られてる。


「生活が整っていく感覚」が、けっこう快感だった

整ったコード、使いやすくなった引き出し、
ちょっとした収納の工夫――

これらがもたらす変化は、ただの“見た目の整理”にとどまらなかった。

・朝の準備が5分早く終わる
・探し物が減る
・「部屋に帰るのがちょっと楽しみ」になる

たったそれだけで、毎日の幸福度って地味に上がる。

別に高級インテリアを揃えなくても、
オシャレ雑貨に囲まれなくても、
100均グッズで十分“ちょうどいい幸せ”は手に入る。


だけど、やっぱり“限界”はある

もちろん、「100均万能説」はもう信じていない。
爆発卵事件が教えてくれたのは、「モノには向き不向きがある」という当たり前のことだった。

・火や熱を使うものは慎重に
・体に触れるものは素材チェック必須
・力がかかる構造物は自己責任のDIYに注意

とくに「調理系」と「電気系」は、ネットでのレビューもちゃんと見るようになった。
“100均YouTuber”の動画を5本くらい見てから買うという、徹底ぶり。

もう僕は「衝動買いの少年」ではない。
“QOLおじさん”として、一歩ずつ慎重に、
今日も100円の向こうにある快適を目指して歩いている。


「使える100均」と「やめとく100均」を分ける自分なりの基準

最後に、事故後に僕が決めたルールを記しておく。

  1. 食べ物が直接触れるものは“食器メーカー製”が基本
     → とくにレンジ加熱は要注意
  2. 100円で“複雑な構造”のものは避ける
     → スイッチ付き、バネ内蔵、気圧式…とかは基本パス
  3. 「見た目で惚れた」だけのものはその場で買わない
     → 一晩寝かせてから買う。たいてい冷めてる
  4. “なければ困る”ではなく“あったら便利”は慎重に
     → 本当に使うか?と自問する

これらを守るようになってから、買い物の満足度がさらに上がった。
そしてなにより、「爆発音」で飛び起きることがなくなった。

100均を通じて気づいた、“自分の暮らしのクセ”

「なんとなく不便」を放置してたのは自分だった

生活を整えたい、快適にしたい――そう思ったのは、
別に100均グッズがきっかけだったわけじゃない。
たぶん、ずっと前から「なんとなく不便だな」「ここ、使いづらいな」と思っていた。

でも、それを“見ないフリ”していた。

引き出しがごちゃごちゃしてても、
ケーブルが床を這ってても、
なんか変な場所に物があっても、
「まぁいっか」と思ってた。

それって、時間がないとか、お金がないとかじゃなくて――
ただ、**「自分の暮らしに無関心だった」**だけなのかもしれない。

100均のグッズがそれを変えてくれた。
たった100円で、少しだけ“暮らしに関心を持つ勇気”が持てたのかもしれない。


「なんでもかんでも便利にすればいい」わけじゃない

そうはいっても、便利グッズを詰め込んだだけではQOLは上がらない。
むしろ、「便利になったことで逆にめんどくさい」こともある。

・やたら分割された収納ケースで、探し物が逆に増えた
・コードを束ねすぎて、引っ張るたびに他の線もついてくる
・収納グッズが増えて、余計にスペースが狭く感じる

便利すぎると、不便になる。

QOLを本当に上げるって、ただ“便利グッズを詰め込む”ことじゃなくて――
「自分にとって必要な快適さ」を知ることなんだと思う。

僕にとっては、すぐ手が届く場所にリモコンがあること。
冷蔵庫を開けたときに、どこに何があるかが一発でわかること。
洗面所で歯ブラシを出すとき、毎回ケースを開けなくていいこと。

それくらいの“小さな当たり前”をちゃんと整えていくこと。


便利グッズを“買う”前に、“自分のクセ”を知ったほうがいい

僕は100均にハマったことで、「自分の生活の傾向」みたいなものが見えるようになった。

たとえば:

  • ものを置くのがめんどくさくて、出しっぱなしにしがち
    → フック収納や“引っ掛け系グッズ”がめちゃ合う
  • 冷蔵庫を奥まで使い切れない
    → 引き出し型のトレーで視認性を上げると無駄が減った
  • 机の上がごちゃつくと集中できない
    → ワンアクションで収納できる“ふた付きボックス”が向いてた

つまり、生活のQOLって“性格”に合ってるかどうかが大事なんだと思う。

みんながいいって言ってるものが、自分にも合うとは限らない。
逆に「それ意味ある?」って言われるようなグッズが、自分には超フィットすることもある。


“爆発事件”がなかったら、僕はたぶん気づけなかった

100均の失敗って、ただの“ネタ”になるだけじゃない。
本気で痛い目を見たことで、はじめて「ちゃんと考える」ようになる。

便利さに飛びつく前に、
“本当に自分に必要か?”を一呼吸おいて考える。

あの卵事件は最悪だったけど、
“何も考えずに便利さに頼る怖さ”を教えてくれたから、
今ではちょっと感謝している(……いや、やっぱちょっとだけだけど)。


暮らしって、“作っていく”もんなんだなって思った

気づけば、部屋の中はずいぶん変わった。

最初は100均アイテムで、あちこちに“快適ポイント”を増やしていく感覚だった。
でも今では、自分で“整える力”そのものがちょっとずつついてきた気がする。

・不要な物は買わない
・あっても使わないものは手放す
・置く場所を決めると、毎日の動作がスムーズになる

そんな“小さな変化”を繰り返して、
ちょっとずつ、ちゃんと“自分の生活”に戻ってきた感じがしている。

“便利”と“快適”は、似てるけどちょっと違った

僕にとっての“快適”は、「何もしなくて済む」ことだった

たくさんの便利グッズを試して、爆発事故も経験して、
そのあといろいろ考えた結果――僕がたどり着いた答えは、案外シンプルだった。

「自分にとって快適な暮らしって、なんだろう?」

そう自問してみたとき、出てきたのは
“何かをすることが楽しい”よりも、
“何かをしなくて済むことが心地いい”だった。

・探さなくていい
・片づけなくていい
・毎回考えなくていい

それって、便利グッズがやってくれることでもあるけど、
暮らしの仕組み自体をちょっと変えるだけでも実現できることだった。

たとえば――

・「鍵が見つからない」問題 → 家を出るとき鍵を置く定位置を作る
・「充電ケーブルが散らかる」問題 → 使うケーブルは1本だけに絞って固定する
・「部屋がすぐ散らかる」問題 → 物を減らす

100均に頼る前に、“暮らしの仕組み”そのものを見直すっていう視点。
これを持てるようになったのが、自分的にはすごく大きかった。


失敗したグッズも、「向き合った証」だと思えるようになった

実はあの“ゆで卵爆発事件”のあと、
「もう便利グッズとか買わないほうがいいのかも…」って、一瞬だけ思ったことがある。

でも、あれもあれで必要なプロセスだった気がする。

だって、僕はたしかにあのとき、自分の暮らしをもっと良くしたいって思ってたんだ。
何も考えずに買ったわけじゃなくて、
“朝の準備を楽にしたい”とか、“食生活をちゃんと整えたい”って、気持ちがあった。

それって、立派な動機だし、間違ってなかった。

たとえ失敗に終わったとしても、
その選択が“雑”だったわけじゃないなら、自分を責める必要はない。


SNSで見た“おすすめグッズ”が、自分に合うとは限らない

100均の神アイテムを紹介するSNS投稿、毎日のように流れてくる。

「バズってるし、買わなきゃ!」って思ってしまうこともある。
でも最近は、“紹介されてるアイテム”よりも、
その人が“どういう暮らしをしてるのか”のほうを気にするようになった。

たとえば…

  • 家族で暮らしてる人向けの収納術は、1人暮らしにはオーバースペック
  • 週末に掃除をまとめてやる人向けの時短アイテムは、毎日こまめにやる自分には不向き
  • 映えるけど手入れが大変なアイテムは、ズボラには致命傷

つまり、「このアイテムいいよ」じゃなくて、「この人の暮らし方いいな」って思えるかどうか

そこで初めて、“そのアイテムが自分にも合うかも”って視点が持てる。


100均グッズに“正解”はない。あるのは“自分の答え”だけだ

いろんなグッズを試して、
いろんな成功と失敗を繰り返して、
気づけば僕は、自分の生活にちょっと自信が持てるようになっていた。

別に部屋がすごく綺麗なわけじゃない。
完璧に整った収納でもない。

でも、「ここにこれがあると楽」とか「これがあるとイライラしない」とか、
“自分の暮らしの法則”みたいなものが少しずつわかってきた気がする

それを教えてくれたのは、まぎれもなく100均だった。
そして、爆発卵だった。


「ちょっと不便」を見つける目を持つことが、たぶんQOLの第一歩

最後に、ちょっと大げさだけど、最近思っていることがある。

QOLを上げるって、“暮らしを大切にする”ってことなんだなと。

前は、「めんどくさい」「忙しい」「しょうがない」って、
見て見ぬふりしてた生活の細部。

そこにほんの少し目を向けるだけで、
毎日の快適さは全然変わってくる。

便利グッズを買うのは、その“入口”みたいなもので、
本当のQOLは、「自分の暮らしに合ってる」って実感を積み重ねていくことだと思う。

“快適”は、自分の中から始まる

あの爆発から始まった、小さな革命

まさかあの日、ゆで卵が爆発した瞬間から、
自分の生活の見直しが始まるなんて、思ってもいなかった。

最初はただ、「朝をもう少しラクにしたい」ってだけだった。

でもその気持ちが、いつの間にか「暮らしを整える」に変わって、
さらには「自分って、どう暮らしたいんだろう?」にまで発展した。

たった100円。されど100円。

侮れない。ほんとに。


“便利”だけを追いかけても、満足にはたどり着かない

たとえば、机にスマホスタンドを置いたとして。
姿勢よく動画が観られる。通知も確認しやすい。

でも、もしそのスタンドが“目につく位置に置かれていて集中できない”としたら、
それって本当に快適だろうか?

なんでもかんでも「便利=正解」じゃない。
大事なのは、その便利が“自分にとっての心地よさ”に繋がってるかどうか

そう思えるようになってから、
僕の100均グッズの選び方はだいぶ変わった。

昔の僕は、たぶん「これはSNSでバズってるから」とか「流行ってるから」で選んでた。
今の僕は、「これは朝の支度を早くしてくれるか?」「掃除の手間が減るか?」で選んでる。

その違いが、地味だけど本当に大きい。


「今の生活が100点じゃなくても、自分で近づけていける」

QOLって、「どれだけ整っているか」じゃない。
「どれだけ、自分で自分の生活を気にかけてるか」だと思う。

・不便を放置しないこと
・気になる場所をちょっとでも変えてみること
・誰かの“正解”より、自分の“納得”を優先すること

そのひとつひとつが、自分の“暮らす力”になる。

僕はたぶん、あの日まで、自分の生活にあまり興味がなかった。
家に帰っても「疲れた〜」ってベッドに倒れこむだけ。
洗濯物も溜まって、冷蔵庫の中もスカスカ。
何か変えなきゃ、と思いつつ、どこをどう変えたらいいかわからなかった。

でも、100均に行って、ちょっとだけ試してみたことで、
「変えていいんだ」「試していいんだ」って思えるようになった。


“大事故”だって、笑い話になる日がくる

今でも、ときどき友達に話す。
「電子レンジでゆで卵作ろうとして爆発させたことがある」って。

みんな大爆笑してくれるし、
「でもそのあと、ちゃんと生活変わったんだよね?」って言ってくれる。

うん、ほんとにそう。

あの大事故があったから、今がある
むしろ、あの一撃がなかったら、いまだに冷蔵庫はぐちゃぐちゃで、
机の上はケーブルだらけだったかもしれない。


今日もまた、100均で“ちょっと先の自分”を探してる

そして今も、僕はときどき100均に行く。
スマホスタンドを新調したり、冷蔵庫の仕切りを追加したり。
時々また「これはハズレだったな」ってものにも出会う。

でもそれも含めて、楽しい。

100円という“ちょうどいい実験場”で、
自分の生活をちょっとずつ形づくっていく感じ。

失敗しても、べつにいい。
あのときみたいにレンジが凹まなければ、笑い話で済む。

そしてまた、今日も小さなQOLを手に入れていく。


イッチくんの生活改善は、まだまだ続く。
だけど、もう迷わない。

自分の“ちょうどよさ”を知ったから、
これからも、自分の暮らしをちゃんと選んでいける。

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この記事を書いた人

元Webプログラマー。現在は作家として活動しています。
らくがき倶楽部では「らくがきネキ」として企画・構成、ライターとして執筆活動、ディレクション業務を担当しています。

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