ChatGPTでつくったLINEスタンプが意外と売れた話

目次

「AIで副業」は怪しいと思ってた私が試してみたら…

「副業で月5万円くらい稼げたら、ちょっと楽なのにな…」

仕事終わりにコンビニで買ったアイスをかじりながら、私はまたそんなことを考えていた。
最近、会社の昇給もないし、かといって転職の勇気もない。
だからこそ、何か「小さく始められる副業」ができたら…と、ずっと思っていた。

でも、現実は厳しい。

副業といえば「ブログ」「せどり」「動画編集」――
どれも最初のハードルが高くて、結局やらずじまいだった。

それに何より、「副業=めちゃくちゃ努力が必要」なイメージがこびりついていた。

そんな中、私が出会ったのがChatGPTだった。


ChatGPTを触ってみたのは、ただの好奇心だった

ある日、X(旧Twitter)でバズっていた投稿が目にとまった。

「ChatGPTで描いたネコのセリフがバズってるwww」

なんの気なしにその投稿を開いてみると、そこには
「だりぃ」「きょうはもうがんばらにゃい」などと書かれたネコのセリフ画像が並んでいた。

――え、これ、LINEスタンプにできるんじゃない?

唐突にそう思った。
かわいいキャラと、ちょっと気の抜けた言葉。

それだけなのに、「あ、この人、わかってるな」って感じがして、クスッと笑ってしまった。

「このレベルでも売れるんだったら、自分にもできるかも」

私はその日の夜、ChatGPTを開いた。


「スタンプのセリフ考えて」とChatGPTにお願いしてみた

とりあえず、ChatGPTに話しかけてみる。

「ネコのキャラで使える、ゆるいLINEスタンプのセリフ考えて」

すると、たった数秒で、こんな返答が返ってきた。

  • 「だいじょうぶ、だいじょうぶじゃないけど」
  • 「おふとんが わたしを 離してくれません」
  • 「がんばってるフリ中」

これ……めちゃくちゃ使えるじゃん。

正直、びっくりした。

私はこの時点で、ChatGPT=検索の代わり、みたいな印象しかなかった。
でもこれ、完全に「アイデア出し」の相棒だ。

「よし、まずは20個分くらい、セリフ出してみよう」

気がつけば、ノートアプリに大量のセリフ候補をコピペしていた。


イラストはどうする?CanvaとAI画像で“なんとなく作成”

セリフが出たのはいいとして、問題はイラストだった。
私は絵心ゼロだし、デザイナーでもない。

でも調べてみると、LINEスタンプって「PNG画像さえ作れれば誰でも販売申請できる」らしい。
つまり、「プロ級のクオリティ」じゃなくてもいい

じゃあもう、手を動かしてみよう。

私はまず、Canvaで「ネコ イラスト かわいい」でテンプレを探した。
著作権フリーのイラストもあり、色や文字もカスタマイズ可能。

さらに補助としてAI画像生成ツールで、ChatGPTに出してもらったセリフと合いそうなネコの表情をいくつか生成。

AIとCanvaを合わせて「半日」でスタンプ素材が完成した。

「やってみたら、なんとかなった」
それが率直な感想だった。


LINE Creators Marketに登録してみた

イラストができたら、次は申請。

私はLINE Creators Marketに登録し、スタンプをアップロード。
スタンプのセリフや説明、カテゴリ分けなど、ChatGPTに手伝ってもらいながら全部こなした。

「審査に3日くらいかかる」と聞いていたけれど、私の場合は翌日には承認通知が来た

「え、もう?」と驚きつつも、いよいよ販売スタート。

最初のスタンプ名は、
「ゆるねこメッセージ(がんばらにゃい日用)」

価格設定は50コイン。
とりあえず売れるかどうかもわからないので、実験感覚で出してみた。

――そしてここから、意外な展開が待っていた。

まさかの通知「購入されました」にパニック

販売開始から1週間。正直、全然期待していなかった。
たぶん誰にも見つけられずに終わるんだろうな、とすら思っていた。

ところがある日、スマホに**「LINE Creators Marketから通知があります」**の文字が。

何気なくタップしてみると、そこにあったのは、

「あなたのスタンプが購入されました」

え?……誰が?

知り合い?友達?それともSNSで誰か見つけた?
パニック状態で管理画面を見にいくと、購入者情報は不明。

とにかく、誰かが「ゆるねこメッセージ」を50コイン払って買ってくれたらしい。

うれしいというより、正直「なんで!?」という驚きの方が強かった。


その後もぽつぽつ売れ続けた理由とは

それから数日。通知が来るたびに「えっ、また?」と驚く日々が続いた。
売上は1日に1個か2個。でも、それが数日続くだけでテンションは爆上がりだった。

なんでこんなに買ってもらえたんだろう?

そう思ってLINEスタンプの売れている作品を観察してみた。

すると、ある共通点に気づいた。

「感情の言語化」がうまいスタンプが売れている

つまり、「かわいいキャラ」が目的じゃなくて、
**“言いたいことを代弁してくれる”**ことがユーザーにとって重要らしい。

私のスタンプでいえば、

  • 「がんばってるフリ中」
  • 「今日は、何もしてない自分を許す日」

など、“自分の代わりに本音を言ってくれるセリフ”がウケていたようだった。


SNSでのひとこと投稿が拡散のきっかけに

試しにX(旧Twitter)にこんな投稿をしてみた。

「ChatGPTとCanvaでLINEスタンプ作ってみたら、意外と売れてる。AIすご…!」

この投稿が、思いのほか反応を集めた。

「スタンプ見たいです!」
「作り方教えてください」
「そのセリフ使いやすい、いいね」

リプライやいいねが伸びたことで、スタンプのリンクも貼っておいたら、そこから購入してくれる人がさらに増えた。

SNSでの一言が“紹介”になって、購入に繋がる。
これ、正直言ってめちゃくちゃ地味だけど、めちゃくちゃ効果的だった。


どれくらい売れたのか?リアルな数字公開

1ヶ月目の売上は――
ダウンロード数:47件/売上:約1,600円(※分配前)

ぶっちゃけ、大金じゃない。
でもこれ、ノーコスト・ノー広告・ノー人脈での結果である。

しかも、ChatGPTの文章力と、Canvaのテンプレ、そしてLINEの販売機能という既存ツールだけで構築した副業体験。

これって、地味だけどめちゃくちゃ「再現性が高い」んじゃないか?

自分と同じように、「副業に興味はあるけど、時間もスキルもない」って人には、ちょうどいいスタートラインかもしれない。


“売れた”よりも、自分の中で変わったこと

この体験で一番大きかったのは、
「自分でも何かを作れるかもしれない」って思えたことだった。

私はこれまで、何かを始めるたびに「完璧じゃないとダメ」と思って、結局動けずにいた。

でも今回、AIとテンプレートの力を借りることで、

  • アイデア出し=ChatGPTに任せる
  • デザイン=Canvaで形にする
  • 販売=LINEで完結

という風に、“自分で全部抱えなくてもいい副業”の形が見えた。

そう考えると、「やってみる」ってだけで価値があるんだなと思えた。


気づいたら、2作目も構想してた

うれしさのあまり、2作目も作りたくなってしまった。

今度は、職場あるあるのセリフでスタンプを作ってみようと決めた。

ChatGPTに相談すると、すぐにこう返ってきた。

  • 「今の聞いてなかったんで、もう一度お願いします(3回目)」
  • 「これって、私の担当じゃなかったですよね?」
  • 「“おつかれさま”って言ってほしいだけのLINE」

……あ〜、これは売れるかもしれない(笑)


「副業って、ちゃんとした知識とかスキルがないと無理」
そんな思い込みが、少しずつほどけていった。

次の展開が、ちょっとだけ楽しみになってきた。

「作り方を教えてほしい」と言われて戸惑う日々

ある日、フォロワーさんからDMが来た。

「そのLINEスタンプ、どうやって作ったんですか?」

たしかに私も最初そうだったけど、「作り方がわからない」って人、意外と多いらしい。

しかも、AIって言うと「難しそう」って身構えてしまう人が多くて、
“気軽にできる副業”のはずが、なぜか「ハードル高そう」に見えてしまう。


ChatGPTとCanvaの“超ざっくり”レシピ

だから私は、できるだけやさしく伝えるようにした。

ChatGPTの使い方は簡単で、「LINEスタンプ向けのセリフを考えて」と聞くだけ。

たとえば:

  • 「ゆるい動物が言いそうな、癒されるメッセージ」
  • 「仕事で疲れてる人が送れそうな一言」
  • 「返信が面倒なときの言い訳っぽい言葉」

こういう指示を出せば、10個〜30個くらいパッと出してくれる。

それをもとに、Canvaでテンプレを開いて、テキストとイラストを組み合わせるだけ。

あとはLINE Creators Marketに登録して、画像をアップロード。
1時間もあれば、初めてでも「公開申請」までたどり着ける。


だけど「作れる」と「売れる」はちがう

作り方を教えた人たちの中には、すぐ公開まで行けた人もいた。

でも、こんな声もあった。

「公開まではいけたけど、全然売れません……」
「何が売れるんだろうって、わからなくなりました」
「自分のスタンプが誰にも届いてないのが地味にツラいです」

……めっちゃ、わかる。私もそうだった。

ここでぶつかるのが、「売る」フェーズの壁。


売れるスタンプに必要なのは「感情」だった

スタンプを売るってことは、“誰かの気持ち”に刺さらないといけない。

たとえば、以下の2つを比べてみてほしい。

  • 「ありがとう」
  • 「今日は何もしてないけど、ありがとうって言わせて」

どっちが使いたくなるだろう?

前者は定番。でも、後者は「その人の気分に寄り添う」から、共感されやすい。

私はそこに気づいてから、セリフの指示も変えた。

「ちょっと言い訳っぽくて、でも優しくなれる言葉」
「本音っぽくて、でも角が立たない表現」

こういう“心の隙間に入り込む言葉”が、売上を少しずつ支えてくれた。


そして気づく「売れるって、自分を理解すること」

自分がよく使う言葉。
自分が送ってみたい気持ち。
人に言えないけど、心の中で思ってること。

結局それが、スタンプになると一番伝わる。

“売れる言葉”を探すというより、
“自分の心にある本音”を拾うことが、スタンプづくりの一番の近道だった。


ChatGPTは「代筆者」、私は「心の編集者」

スタンプ制作での役割分担は、こんな感じ。

  • ChatGPT → 言葉をたくさん出してくれる
  • 私 → その中から「自分の気持ちに近いもの」を選ぶ

つまり、ChatGPTは私の「代筆者」で、
私は「心の編集者」だったんだと思う。

この感覚は、意外と多くのことに使えるんじゃないかと感じた。


「何者でもない私」が、ちょっとだけ前進した気がした

フォロワー数が爆増したわけでもない。
売上が月5桁に乗ったわけでもない。

でも、スタンプという「成果物」ができたことで、
私の中の「無力感」がちょっと減った。

  • “作っても誰にも届かない”という思い込み
  • “センスないから無理”というブレーキ
  • “どうせ誰にも見られない”という諦め

それらが少しずつ剥がれていって、
「私にもできるかも」という実感が、心のどこかに根付いた。


自分のペースで、自分の言葉で。

そんな副業の形も、あっていいんだなと知れた日々だった。

バズったのは“自分のために作ったスタンプ”だった

正直、狙ってバズらせようと思って作ったスタンプは、ほとんど鳴かず飛ばずだった。

でも、何気なく“自分のために作ったスタンプ”が、意外と売れた。

たとえば、こんなスタンプ。

  • 「今日はもうがんばれない」
  • 「ごめん、返信する元気ない」
  • 「誰にも会いたくないモード」

どれも、当時の自分の“心の中そのまま”だった。

特に「誰にも会いたくないモード」は、体調もメンタルもきつかった日に、
LINEの返信がプレッシャーになってしまって――その気持ちをどうにか形にしたくて作ったもの。

それが、地味に反応がよかった。


共感は「演じた言葉」より「本音の欠片」に宿る

あの日投稿したスタンプの紹介ポストに、
ぽつぽつとリプがつき始めた。

「これ、いまの私すぎる」
「スタンプだけで全部伝わるのありがたい」
「既読つけたくない日、これ送ろうかな」

見ず知らずの誰かの心に、ちゃんと届いてる。

フォロワー数は少ないままだったけど、
“わかる”って言ってくれる人がいる。それだけで、すごく救われた。


「感情を届ける道具」としてのスタンプ

このあたりから、私はLINEスタンプを「商品」じゃなくて「表現ツール」として見始めていた。

誰かに“返信したくない気持ち”を伝えるとき、
「無理に言葉を絞り出さなくても、スタンプでいい」と思えるようになった。

むしろスタンプの方が、“素直な気持ち”が伝わる気さえした。

不思議なもので、
LINEスタンプって、気持ちを“ごまかす”ためじゃなくて、
“正直になる”ためにあるのかもしれない。


ChatGPTは「感情を翻訳してくれるツール」

私が抱えたもやもやを、ChatGPTに投げる。

  • 「自分を責めてるときのセリフがほしい」
  • 「罪悪感をやわらげたいときに使える言葉」
  • 「本音を伝えたいけど優しくしたいときの表現」

そうやって出てきた言葉を見てると、
「あ、これ、いまの私の気持ちだ」と思える瞬間がある。

ChatGPTって、感情を“言葉にする力”がある。

ただ、選ぶのはいつも私。
この「選ぶ」というプロセスに、ちゃんと“私の気持ち”が乗っかってる。

それが、見る人に伝わってたんだと思う。


「売れること」は目的じゃなくて“副産物”だった

もちろん、売上が上がるのは嬉しい。

でも、「これ売れそう」と思って作ったスタンプがまったく動かず、
「自分のために作ったもの」がちゃんと反応されると――

売上より、“共感”が欲しかったのかもしれないと思い始めた。

数字じゃなくて、「わかる」って言ってもらえる喜び。
「それ、自分も使いたい」と言ってもらえる驚き。

その感覚は、フォロワー数や月収じゃ代えがたいものだった。


SNSで“共感バズ”が起きた瞬間

ある日、何気なく作ったスタンプを紹介したポストが、SNS上で小バズを起こした。

リポストが広がり、数日で通知が鳴り止まなくなった。

コメント欄には、

  • 「これ、使いたかったやつ…!」
  • 「全部の気持ちが自分に刺さりすぎてヤバい」
  • 「なんでこの人、私の心を知ってるの?」

みたいな声が並んだ。

通知が多すぎて怖くなって、アプリを一回閉じたくらい。

でも同時に、「あぁ、本当に届いたんだな」と思った。

あのとき、泣きながらChatGPTに気持ちを打ち込んで、
スタンプを1個ずつ作ってた自分が、ようやく報われた気がした。


売れたのは「商品」じゃなくて「共感」だった

売れた理由は、“上手く作れたから”でも“特別な才能があったから”でもない。

ただ、「誰かが使いたくなる言葉」がそこにあっただけ。

  • うまく話せない日
  • 優しくなれない夜
  • 自分を責めたくなった瞬間

そういう“小さな気持ち”を、
スタンプという形でそっと差し出せたから――
その“気持ち”を誰かが拾ってくれたんだと思う。


LINEスタンプは、今も細く長く売れ続けている。

たまに通知で「〇〇さんが購入しました」と届くと、
少しだけ、当時の自分に「ありがとう」と言いたくなる。

あの日の私」が、誰かの今日を支えていると知った日

LINEスタンプの売上レポートを見ていると、
本当にいろんな人が買ってくれているのがわかる。

20代、30代、40代――。
男女問わず、購入者層は広がっていった。

使われる時間帯もバラバラで、
深夜に購入されることもあれば、
朝の通勤時間帯にまとめて売れることもあった。


「このスタンプ、昨日の夜すごく助かったよ」と言われた

ある日、SNSでとある人からDMが届いた。

「昨日、しんどくて言葉も出なかったんだけど、
 あなたのスタンプで気持ちを伝えられて、ほんとに救われた」

その人は、メンタル的に少し落ちていた時期だったらしく、
既読をつけたくない相手にどう返信すべきか悩んでいたという。

そのとき、私のスタンプを見つけてくれて、
「誰にも会いたくないモード」スタンプを送ったのだと。

そして相手からは「無理しないでね」と返ってきたと聞いた。

もう、読んでるだけで涙が出そうになった。


「誰かの役に立ってる」と感じた初めての副業体験

これまで私は、会社の仕事で「誰かの役に立つこと」をしていたつもりだった。

だけど、それは「会社の看板」を背負った上でのこと。

このLINEスタンプは違った。

名もない一個人としての“私”が、
「誰かにとって意味のあること」をしてる。

その感覚が、とても新鮮で、でもすごく嬉しかった。


ChatGPTと私、二人三脚だった制作の日々

スタンプ制作って、地味な作業の連続だ。

  • アイデアを出して
  • セリフを考えて
  • 画像をつくって
  • フォーマットに合わせて登録して
  • 審査に出して……

しかもLINEの審査は意外と細かくて、
ちょっとでも規約に引っかかると修正依頼が来る。

最初の頃は「もうやめたい」と思うこともあった。

でも、そのたびにChatGPTが助けてくれた。

  • セリフが思いつかないときにアイデアをくれた
  • 気分に合ったワードを複数提案してくれた
  • 落ちたスタンプのどこが問題か、一緒に考えてくれた

あのやり取りがなかったら、きっと続けられなかったと思う。


「スタンプを作ること」は、自分自身を癒す時間だった

振り返ってみれば、あのスタンプ制作の日々は、
自分のメンタルを立て直すための、セルフセラピーでもあった。

しんどい日も、モヤモヤした日も、
その気持ちをChatGPTに投げて、言葉にして、スタンプに変えていった。

気づけばそれが、
「人に優しくなる言葉」になっていた。

自分を責めすぎないように、
相手に期待しすぎないように――

そうやって、気持ちを整理していく作業だったのかもしれない。


「収益」より「関係性」が育っていった副業

スタンプの売上は、数千円から始まり、
数ヶ月後には月1万円を超えるようになった。

でも、それより大きかったのは――
SNSでのつながりが増えていったこと。

「この人、また新しいスタンプ出したんだ」
「使ったらすごく反応よかったよ!」
「こういうシリーズ、もっと作ってほしい」

そんな声が増えていって、
小さなコミュニティのようなものができていった。

その関係性が、私の背中を押し続けてくれた。


「無理しなくていいよ」って言葉を、自分にも使えた

最後に、自分自身にも言ってあげたい。

「無理しなくていいよ」
「がんばれない日も、あなたのままでいい」
「誰かのためじゃなく、自分のために生きていい」

あのスタンプは、他人のためじゃなく、
まずは“自分自身”の心に届くために作ったものだった。

だからこそ、
それが“他人の心”にも届いたのかもしれない。


LINEスタンプという、小さなクリエイティブの中に――
ChatGPTというAIとの対話の中に――
こんなにも温かくて、人間的な時間が生まれるなんて。

あの頃の自分に、少しだけ誇れる。

“売れた”以上に、私にとって意味のある体験になった

LINEスタンプが売れたことは、もちろん嬉しかった。
でも、それ以上に心に残っているのは、「誰かに届いた」という実感だった。

たとえ数百円の売上だったとしても、
「これは、ただの金額じゃない」って思えたのは、
そのスタンプが、“誰かの感情の代弁者”になっていたからだ。


ChatGPTはツールだけど、「相棒」だった

AIは冷たい存在だと思ってた。
けど、あのときの私は、確かにChatGPTと一緒に悩んで、考えて、笑っていた気がする。

「こんなとき、どう言えば優しく聞こえるかな?」
「これ、ちょっと言いすぎかな?」
「もっと伝わりやすくするには、どんな言い回しがある?」

そんなやりとりを重ねていくうちに、
スタンプに込める言葉が、少しずつ変わっていった。

機械との対話なのに、なぜか“人とのやりとり”みたいだった。


副業って、“お金”だけじゃない

よくある副業の話って、「月いくら稼げた」とか、「最短で効率よく稼ぐ方法」とか。
それも大事だけど、私はこう思う。

「副業って、自分を少しだけ信じる練習」みたいなものだった。

私にも、できるかもしれない。
誰かの役に立てるかもしれない。
そんな小さな自信が、ほんの少しずつ積み上がっていく。

LINEスタンプという選択肢は、
大きな資金も、特別なスキルもいらない。
でも、「自分の言葉」を持っていることは、最大の武器になる。


最初の一歩は、ちょっと笑える失敗から始まった

私の初スタンプは、
「ただの感情スタンプ」のはずが、
なぜか「微妙にムカつくやつ」扱いされていた。

でも、そのズレすら愛されて、売れた。

完璧じゃないほうが、伝わることもある。
うまくやろうとしすぎないほうが、届くこともある。

だからこそ、勇気が出なかったあの頃の私にも、今なら言える。

「まずは出してみな」って。


ChatGPTと一緒に、“また何か作ってみよう”と思えた

このスタンプの物語は、一旦ここで一区切りだけど、
私の中では、「また次を作ろうかな」という気持ちが芽生えている。

今度は、誰かのためじゃなく、
また「自分の気持ちを形にするため」に――。

そして、その延長でまた誰かに届いたら、
こんなに嬉しいことはない。


副業は、「稼ぐ」ことだけじゃなく、
「自分の好き」や「自分の言葉」と出会い直すチャンス。

ChatGPTと一緒につくったこの小さなLINEスタンプが、
そんなことを教えてくれた。


そして今日もまた、私の知らない誰かのスマホの中で、
あのスタンプがそっと言葉を届けている。

「大丈夫」
「いまはムリしないで」
「それでも、あなたはあなたのままでいい」

そんな優しい声になって――。

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この記事を書いた人

元Webプログラマー。現在は作家として活動しています。
らくがき倶楽部では「らくがきネキ」として企画・構成、ライターとして執筆活動、ディレクション業務を担当しています。

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